
英語の発音をよくする方法とは?学習のコツと練習方法を紹介
目次
なぜ日本人にとって英語の発音が難しいのか
英語の発音を身につけたいと願う人が多い一方で、発音の習得を難しいと感じる日本人も少なくありません。英語の音を「難しい」と感じるには、いくつかの理由があります。
1. 母音・子音の数が日本語と違うから
日本人が、英語の発音を難しいと感じる理由の一つは、英語は母音と子音の数が、日本語よりも圧倒的に多いからです。
日本語の母音は [a] [i] [u] [e] [o] の5つであるのに対し、英語の母音は大きく分けて15個もあります。また、日本語の子音は13個であるのに対し、英語の子音は24個です。
つまり、英語には日本語にない音がたくさん存在するため、耳で聞き取ることに慣れておらず、英語の音を難しいと感じる人が多いのです。
2. 発声方法が違うから
英語と日本語は、イントネーション(抑揚)にもかなりの違いがあります。日本語のイントネーションは比較的平坦である一方、英語の発話は抑揚が大きく、まるで歌を歌うように発音します。
また、日本語ではそれぞれの単語をぶつ切りの状態で話しますが、英語は単語と単語をくっつけて話すことが多いです。
例えば、
Look at this picture.
という文は、「ルック アット…」という発音にはなりません。Lookの語尾「k」と「at」の語頭「a」がくっつき、「ルッカッ…」のように発音されます。
この現象はリンキング(連結)といい、日本語には見られない現象であるため、日本人が英語の発音を「難しい」と感じる要因となっています。
3. 息の使い方が違うから
日本語では主に胸式呼吸(胸をふくらませる呼吸)を使いますが、英語では腹式呼吸(お腹をふくらませる呼吸)を使います。
英語は「息」の言語なので、腹式呼吸でお腹から息を押し出し、その息を唇・歯や・舌・上あごを使って調音します。
このように、英語では日本語にない「息」の使い方をするので、日本人には英語の発音が「難しい」と感じられてしまうのです。
独学で発音をよくする方法とコツ
上記の違いを踏まえながら効率的に英語の発音を習得するにはどうしたら良いでしょうか。このセクションでは、独学で英語の発音をよくするための方法をいくつか紹介します。
音読
英語の発音学習法として最もシンプルなのが「音読」です。英文を声に出して読むだけなので、初心者でも挑戦しやすい学習法といえます。
音読を使った学習方法としては、まずお手本となるネイティブの音声を聞くことから始めましょう。そして、その音声を真似るように音読します。
ネイティブの発音を真似ることで、個々の音の発音が矯正されるだけでなく、イントネーションやリンキングなどが正しく発音できるようになり、伝わりやすい、美しい英語を話せるようになります。
シンクロリーディング
シンクロリーディングとは、聞いている英語を同じタイミングでテキストを声に出して読むトレーニング方法です。自分の声と、モデルとなる音が重なるため、オーバーラッピングとも呼ばれています。
後で紹介するシャドーイングと似ていますが、シャドーイングはテキストを見ずに発音するのに対し、シンクロリーディングは、テキストを見ながら、流れてくる英語の音声に自分の声を重ねます。
シャドーイングよりは難易度が低いので、初心者でも気軽に始めることができます。
シャドーイング
シャドーイングとは、聞こえてくる英文のすぐ後ろを影(shadow)のように追いかけて発音するトレーニング法です。
音声を聴きながら発音するので、初心者にはハードルの高いかもしれませんが、英語力アップに非常に高い効果が期待できる学習法です。
シャドーイングでは、聞こえてくる音声を集中して聞き、同じ音声を繰り返し聞くので、英語のスピードに慣れ、これまで聞き取れなかった単語などがわかるようになっていきます。
短期間で発音を良くする方法とコツ
海外渡航が迫っていたり、重要な英語会議に参加していたり、短期間で効率的に英語の発音を習得する必要性を感じている方は以下の方法も試してみてください。
自分の声を録音する
発音改善のためには、自分の声を録音して実際に聞いてみるのが効果的です。自分ではうまく発音した気になっていても、録音した自分の声を客観的に聞いてみると、意外と発音できていない部分があることに気づくはずです。少し恥ずかしいと思っても挑戦してみましょう。
できるだけゆっくり話す
ネイティブのような発音を目指すためには、流暢に聞こえるように速くスピードで話した方が印象が良いように思えるかもしれません。
しかし英語は歌やピアノと同じで、ゆっくり演奏できない・歌えないものを速くしたとしても、その良さは伝わりません。雰囲気で「なんとなく」こなすだけになってしまいます。
正しい英語の発音を習得するには、まずそれぞれの英語の音やイントネーション、リンキングなどをゆっくり丁寧に発音できるようにしましょう。ゆっくり発音できるようになってから、徐々にスピードを上げていくと、速く話した時でも聞き取りやすくなります。
1つの教材を極める
英語の教材を探すと、「これは良さそうかも」と思う教材がたくさん見つかりますよね。
ただ、例えば「発音学習のための教材」を5つ選んだとしても、どの本にも同じようなことが書かれていることが多く、すべて学習したとしても内容が重複してしまうことがあります。
別々の本を5冊読むより、信頼できる1冊を選んで、その1冊を5回学習した方が効果的です。同じ本を繰り返し学習することで、同じ単語・フレーズに何度も出会うことになり、学んだ内容が深く定着します。
第三者に指摘してもらう
自分一人で発音の練習をしていても、「どうすれば」発音を改善すればいいのかは、なかなか分かりません。その場合は、英語話者や日本人バイリンガル講師に、発音の間違いを指摘・訂正してもらうと良いでしょう。
第三者にフィードバックをもらえば、改善点が明確になるだけでなく、正しく発音できている部分を認識することができて一段と自信が持てるようになります。
プロに頼って発音を改善する3つの方法
発音の練習を自分一人で行っていると、発音を改善するために何をすればいいか分からない場合が多いと思います。独学に限界を感じたらプロに頼ってみるのも一つの方法です。
1. オンライン英会話
オンライン英会話は、インターネット環境さえ整っていれば、時間を選ばず様々な国の英語講師からレッスンを受けることができるサービスです。
アメリカ人やイギリス人講師からネイティブな発音を学ぶこともできますし、非ネイティブの英語講師から、元英語学習者ならではの学習方法を教わるのも良いでしょう。
2. 海外留学
海外留学で学校の先生や周りの英語話者にフィードバックをもらうのは、非常に理想的な環境といえるでしょう。できるだけ多くの発声練習をし、たくさんフィードバックをもらえるため、実践的かつ効果的に発音を改善することができます。
社会人の留学は、仕事との兼ね合いから以下の点を考慮すると良いでしょう。
・日本と時差が少ない
・短期間で完結する
・しっかりしたネット環境がある
・一人になれるスペース(部屋)がある
3. 発音特化のサービス
ハツオンは、オンライン英会話スクールの「MeRISE」が提供している発音特化型英語コーチングサービスです。
同社が10年以上かけて英語学習者に向き合ってきた中で、日本人が直面しやすい「日本語っぽい英語しか話せない」「よく聞き返される」「ネイティブの英語が聞き取れない」といった3つの課題を解決するために誕生しました。
2ヶ月のプログラムで、圧倒的な変化体験(Before/After)と、その先の英語学習への自信と確信を得られるオリジナルカリキュラムが組まれるのが特徴です。

英語の音の採点表(例)一人ひとりの熟練度と生活スタイルに応じたオリジナルのレッスン内容が組まれる
専門トレーニングを受けたプロの講師陣が、短期集中・マンツーマンでサポート。英語の音だけでなく、一人で効率的な学習法で継続できるように生徒に合わせた学習ロードマップを習得することで、正しく効率的に学習を継続し、正確な発音で話すことができるようになります。
初心者でも安心して受講できる他、発音の悪さがコンプレックスで、なかなか英語を口にできないという中上級者にもおすすめです。
さいごに
正しい発音を学ぶと、英語が通じやすくなり、自信をもって英会話に臨めます。
発音の学習には、音読やシャドーイングが効果的ですが、独学で発音を習得するのはなかなか簡単ではありません。オンライン英会話や留学、発音に特化したコーチングサービスなどを利用し、より効果的・効率的に発音をマスターしましょう。
[発音に関するFAQ]
どのような音源教材を選ぶべきですか?
耳から得た情報を完全に理解するため、英語と日本語のスクリプトがあることが前提になります。さらに音源教材を選ぶ時のポイントは3つあります。1つ目は英文の80%ほどは自分が理解できる単語や文法が使われていることです。2つ目は音読をする際についていけるスピードであることです。通常スピードで早い場合は速度を落として、音読練習をすることが大切です。3つ目は自分の興味のあるトピックを選ぶことです。発音上達への道はひたすら練習することが要になります。興味のある分野で練習を続けることで、飽きずに継続が可能になります。
ただ聞き流すだけでいいの?
リスニングによるインプットも大切ですが、正しい発音を身に付けるためには自分の口を動かしながら音読やシャドーイングを行うことが大切です。
1日どれくらい練習すればいいの?
MeRISEが提供するハツオンでは1日90分以上の自己学習を推奨しています。1日の中でまとまった時間を取れなくてもすきま時間で練習を重ねることで、圧倒的な変化が体験できるようになります。
どのくらいで変化が見えるの?
英語発音の習得の速さには個人差がありますが、十分な学習時間と正しい学習方法で取り組むことによって、数か月から数年程度で正しい発音を身につけることができます。
しかし、よりネイティブに近い発音を習得するためには、継続的な努力と練習が欠かせません。英語話者とのコミュニケーションや、実際に話す環境での練習を重視しましょう。
英語の発音をよくするメリットは?
正しい発音を学ぶことは、「話す」「聞く」「読む」「書く」の4つのスキルの上達を加速させます。
英語を話す相手が聞き取りやすく、正確な発音で発話することで、コミュニケーションがスムーズになります。また、英語の正しい発音を理解することで、英語を聞き取る能力が向上します。逆に自分が発音できない音は聞き取ることができません。更に、正しい発音学習は、単語やフレーズなどの語彙習得の定着や文法理解の向上にもつながります。