
ネイティブのような英語発音を身につけるには?基礎知識と練習法
目次
ネイティブ発音に近づくためのルール
まずは、ネイティブのような発音に一歩近づくために必要な英語の音のルールについて解説します。
フォニックス
フォニックスとは、英語の音と文字の関係性に法則を見い出す学習法です。例えば、「A」は「エー」ではなく「ェア(/æ/)」と覚えることになります。
フォニックスを学ぶ利点は、正確な発音を身につけやすくなるということです。
そもそも、発音に悩みを抱える日本人が多いのは、英単語のスペルから連想されるカタカナ英語に気を取られてしまうからです。
フォニックスを利用すると、カタカナ英語に引っ張られず、英語を耳から学ぶことができるため、自然な形で英語の発音を学ぶことができます。
発音記号
発音記号は、言語の正しい発音を忠実に示した記号のことです。
英語は、スペルと発音が一致しないことが多い言語です。しかし、発音記号を把握していれば、知らない単語に出会った時も、その発音が分かるようになります。
例えば「people」という単語は /píːpl/ となります。
アクセント
英単語は、正しいアクセントで発音しないと意味が通じないことがあります。
アクセントとは、単語を音節に分けた時、特定の音節を強く発音することです。
例えば、「photograph(写真)」は、「pho・to・graph」の3音節に分かれ、最初の音節「pho」にアクセントを置かないと不自然になります。
また、「object」という単語は、「ob・ject」の2音節に分かれますが、「OB・ject」と最初の音節を強く発音すると「物体」という意味になるのに対し、「ob・JECT」と2番目の音節を強く発音すると「反対する」という意味になってしまいます。
「object」のようにアクセントの位置によって意味が変わってしまう単語は、ほかにもたくさんあります。正しいアクセントを心がけましょう。
音声変化
英語の発音には、それぞれの英語の音や単語の中だけではなく、フレーズ内にも「音声変化」のルールがあり、その代表格に、「リンキング」と「リダクション」があります。
リンキング
リンキングとは、会話のスピードやリズムを整えるために単語と単語を繋げて発音することを指します。
具体的には、【子音で終わる単語】と【母音で始まる単語】が連続する場合、最初の単語の語尾と次の単語の語頭がくっついて、1つの音として発音されます。
例えば、「part of a challenge」というフレーズを発音する時は、「パート・オブ・ア・チャレンジ」と単語を個別に発音しても、英語話者には通じません。
「part」の「t」と「of」の「o」、さらに次の「a」がくっついて「パートヴァ……」とリンキングさせると、自然な発音になります。
リダクション
リダクションとは、会話のスピードやリズムを整えるために単語や音節の発音を簡略化する現象のことです。
リダクションについて理解するには、まず「内容語」と「機能語」について把握する必要があります。
「内容語」とは、名詞・動詞・形容詞など、文の意味を伝える単語です。それに対して「機能語」とは、代名詞・冠詞・前置詞など、文の形式や構造をサポートする役割を持つ単語です。
英文の中では機能語はよくリダクションを起こします。例えば「give her a book」というフレーズでは、代名詞「her」はリダクションを起こし、/ɡɪvər/のように/h/が脱落して弱い「アー」として「give」にくっつきます。
「going to」を「gonna」、「want to」を「wanna」と省略するのもリダクションの1種です。
そのほかにも、子音が脱落したり、ストレスを置かない音節が脱落・短縮されることがあります。
イントネーション
イントネーションとは、話し手が文や単語の意味(意見、疑問、命令)を強調したり、感情(皮肉、驚き、興奮)を表現したりするために、音程やリズム、音量、速度などを組み合わせて使う音声の調子のことです。
イントネーションは文の種類によって決まるケースと、話し手の意図を表現するケースがあります。
文の種類でイントネーションが決まるパターンとしては、肯定文・Wh疑問文は語尾のイントネーションを下げ、Yes/No疑問文では語尾のイントネーションを上げます。
文が「and」や「or」を含む場合は、「and/or」の前はイントネーションを上げ、最後にイントネーションを下げます。
また、話者の感情を表す例としては、「Excuse me.」という文を「Excuse me.⤵︎」と下がり調子のイントネーションで読むと、「すみません」という意味になりますが、「Excuse me?⤴︎」と上がり調子で読むと、「(聞こえなかったので)もう一度言ってもらえますか」というようなニュアンスになります。
さらに、「Excuse me!?⤴︎」と強い上がり調子で読むと、憤慨しているニュアンスになってしまうので注意しましょう。
日本語と英語の大きな違い
そもそも英語は、その発声の仕方と聞こえ方、そして根本的に音の種類が大きく異なります。日本語と英語で共通している音の出し方はすでに習得済みなので、特に意識することはありません。一方で、英語にあって日本語にない音を習得したり、日本語にあって英語にないクセを抑えたりするのは意識的にトレーニングを積む必要があります。
では、何を意識すればいいのか?ここでは、日本語と英語の違いについて押さえておくべきポイントを解説しています。
母音子音の数
英語は、日本語に比べて圧倒的に音の多い言語です。
日本語の場合、母音は「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」の5つ、子音は14個です。
一方、英語には16種類もの母音があります。子音も24個と日本語よりかなり多いです。
そのため、英語には日本語にない音も多く、発音するのが難しいと感じる人が多いようです。
イントネーション
日本語は、比較的抑揚が少ない言語で、全般的に平坦なイントネーションで発音されます。
しかし、英語は全体として抑揚が大きい言語で、文法によってイントネーションが決まっていたり、話者の感情を表すのにイントネーションを用いたりします。
日本人には感情をイントネーションで表したりする習慣がなく、英語との違いに戸惑う人も多いようです。
音のつながりと脱落
日本語では、文章で書かれた通りの発音がなされ、音がつながったり、脱落したりすることはほとんどありません。
しかし、英語では音の連結(リンキング)や脱落(リダクション)が頻繁に起こります。
例えば、「I like it.」という文は、「アイ ライク イット」と発音すると、ネイティブスピーカーには通じません。
「like」の語尾と「it」の語頭がリンキングして、「アイライキット」といった発音になります。
日本語ではこのような現象が起こらないため、戸惑う人も多いかもしれません。
ネイティブ発音を習得するためのコツ
では、実際にネイティブのような発音を習得するためには、具体的にどういったトレーニングをすればいいのか、効果的に習得するためのコツと併せて紹介します。
発音を学習する
英語の発音を学ぶと、単に「発音が良くなる」だけでなく、英語の四技能(読む・書く・聞く・話す)をバランスよくアップさせることができます。
まず、英語の発音を学ぶと、リーディング力がアップします。英語の発音を習得するには、英文を意味のまとまりでとらえる必要があるため、文をどこで区切って読めばいいか分かるようになります。その結果、読解速度が向上するのです。
次に、英語の正しい発音を学ぶと、ライティングの時に、英語音声を手がかりにする習慣がつくので、 意味的・文法的に自然な文が書けるようになります。
さらに、英語の正しい発音を学ぶことで、リスニング力もアップします。 英語の音それぞれや、音声変化・発声方法などを自分で発音できるようになることで、それらの音が聞き取れるようになります。自分で発音できるからこそ、その音を聞き取れるようになるのです。
そして、英語の発音を学ぶと、スピーキング力がアップします。話した内容が分かってもらえなかったり、聞き返されたりすることがなくなり、自信をもって自分の意見を発信することができるようになります。
つまり、英語の発音を学ぶことで、発音自体がネイティブに近づくだけでなく、英語力も総合的にアップし、よりネイティブに近い発言ができるようになるのです。
発声する
正しい英語の発音を習得するには、実際に声に出してトレーニングする必要があります。
少し恥ずかしく感じられるかもしれませんが、頭の中でイメージするだけでなく、実際に口を動かして発音することで、自分の発音の改善点が浮き彫りになります。
効率的な発声の練習方法
ここでは具体的な発声トレーニング方法について紹介します。
音読
英語の発音トレーニングとして最もシンプルなのは音読です。英文を声に出して読むだけでなく、「シンクロリーディング」や「シャドーイング」というトレーニング方法があります。
シンクロリーディングは、流れてくる英語音声に、自分の声を重ねるようにして音読するトレーニング方法です。
音声を聞きながら発音をトレーニングするので、スピーキング力とリスニング力を同時に鍛えることができます。
シャドーイングは、流れる音声を追うように発音していくトレーニングです。音読やシンクロリーディングと違って、スクリプト(書き下し文)は見ず、音声だけを頼りにその音声を影(シャドー)のように追いかけます。
初心者には少しハードルの高いトレーニング法ですが、シンクロリーディングよりさらにリスニングに集中しながら発音する必要があるため、非常に高い学習効果が期待できます。
YouTube動画
YouTubeチャンネルなどの動画配信サービスには、英語の発音を指導する動画が数多くアップされています。
そういった動画の多くでは、ネイティブが実際の発音をお手本として示してくれるので、音声と同時に口の形をマネしながらトレーニングをすることができます。
ただし、自分の発音が実際にネイティブに通用するのか、どこを改善すればいいかは判断がつきづらいのが難点です。
発音矯正アプリ
スマートフォン向けの英語学習アプリには、自分の英語の発音を採点してくれるものがあります。
お手本となるネイティブの音声を聞きながらフレーズを真似して発音すると、合格・不合格、または100点満点で評価されます。
さらに、どの部分がネイティブの発音と異なるかをフィードバックしてくれます。
ただし、アプリの判定が100%正確とは言い切れません。
オンライン英会話
オンライン英会話では、英語話者相手に実際に英語を声に出して練習する機会が与えられます。
そして英語講師から、英語話者に通じる発音かどうか、一定のフィードバックを得ることができます。
しかし、英語講師は多くの場合、日本語を話せないことが多く、誤った発音を「どう改善すればいいか」について具体的なフィードバックをもらえないことが多いです。
発音矯正コーチング
発音矯正に特化したコーチングサービスでは、受講生個人個人の苦手分野に合わせてレッスンの内容をオーダーメイドしてもらえる場合が多いです。
苦手分野に対して、どのように改善すればいいか適切なフィードバックがもらえるので、短期間で発音を矯正し、ネイティブに近い発音を習得することができます。
ミライズの「ハツオン」ならネイティブの発音を習得できる
発音特化型英語コーチングサービス「ハツオン」では、英語のそれぞれの音を正しく発音できるようにするだけでなく、音声変化やメロディーも重点的に学習し、ネイティブに近い発音の習得を目指すことができます。
受講生それぞれの弱点に焦点を当ててカリキュラムをオーダーメイドした上で、日本人コーチとプロ英会話講師が徹底的にサポートしてくれるため、2ヶ月間で圧倒的な変化を体験できるのが特徴です。
最後に
英語には、日本語にない音も多く、イントネーションなどにも違いがあるため、日本人がネイティブのような発音を習得するには、それなりの時間が必要です。
しかし、正しい方法でトレーニングすれば、ネイティブのような発音を身につけることができます。
ネイティブのようなかっこいい発音を身につけると、自信を持って自分の意見を発信できるようになりますし、英語でのコミュニケーションも楽しくなります。
英語の発音の知識を身につけたら、まずは実際に声に出して発音を練習してみてはいかがでしょうか。