【英語スピーキング勉強法】一人でできる練習と早く上達するコツを紹介

英語勉強法|更新日 2023年7月19日
これまで英文法や語彙力はそこそこ習得してきたはずなのに、スピーキングとなると言葉に詰まってしまうという経験はありませんか?あるいは、TOEFLや英検などの英語試験で、スピーキングセクションのスコアが伸び悩んでいる人もいるかもしれません。 英語のスピーキングが思ったように上達しない原因は人によってさまざまですが、それぞれ適切な対処法があります。 本記事では、英語のスピーキングが上達していくプロセスを解説し、具体的なスピーキングの練習法をおすすめの教材や早く上達するコツとともにご紹介します。

目次

英語スピーキングができない原因

英語のスピーキングができない原因は、大きく分けて以下の3つです。

  1. 日常会話でよく使う単語や表現を知らない
  2. 英語脳ができていない
  3. 口の動きが英語に慣れていない

上記を見て、スピーキングを苦手とする日本人が多い理由もなんとなく理解できた方もいるかもしれません。日本人だから・・・才能がないから・・・ではなく、上記のような原因を押さえて対策をすれば誰でもスピーキングを上達させることが可能です。

1. 日常的に使う単語や身の回りの表現を知らない

これまでに単語やフレーズはたくさん覚えてきたという人でも、日常会話になると表現したい単語が出てこないことはよくあります。実は、学校英語で習う単語や表現は、日常会話ではあまり使わないものも多いのです。

たとえば、「(銀行ATMなどから)お金を引き出す」ことを表す言葉として、学校では ”withdraw money” というフレーズを習ったのではないでしょうか?しかし、日常会話中では ”cash out” や ”take money out” といった表現を使うことが一般的です。

また、以下のようなネイティブの小学生でも知っているような単語や表現もパッと浮かばないことがあるのではないでしょうか。

  • stapler/ホッチキス
  • messy/散らかっている
  • get dress/着替える
  • got my hair cut/髪を切った

そういった身の回りの単語やカジュアルな表現に対する知識がないことが原因で、言葉に詰まったり、コミュニケーションがうまくいかないケースが場合があります。

2. 英語脳ができていない

英語のスピーキングの上達には、英語を英語のままで考える能力、いわゆる「英語脳」が不可欠です。インプットもアウトプットも、思考もすべて英語で行います。

コミュニケーションにおいて、相手から言われた英語を日本語に和訳し、何と返事をするかを日本語で考え、その日本語を頭の中でまた英訳してやっと口から出すというプロセスでは、コミュニケーションのテンポがどんどん遅れていってしまいます。

また先ほどのATMでお金をおろす例で、仮に「withdraw/引き出す」「cash out/現金を出す」というフレーズを知らない、あるいは思い出せなくても、普段から目の前で起こっていることを英語で捉える英語脳があれば、”get money from the ATM” といったように、簡単な単語から意味を持つフレーズをすぐに組み立てることができるようになります。

3. 口の動きが英語に慣れていない

スピーキングの際に英語を正しく発音しようとすると、唇に力が入ったり舌がもつれて思ったように話せないといった経験はないでしょうか。

それは、英語には日本語にない発音や発声方法がたくさんあるため、口や舌の普段使わない筋肉がうまく動かないことが原因です。

日本で生まれ育ち日本語を話し続けてきた以上、英語の発声法に慣れていないのは当たり前です。筋トレのように、継続的にトレーニングを行うことで改善できます。

英語のスピーキングに求められる4つのスキル+α

英語のスピーキングとは、頭の中で生成した英作文を声に出して瞬時にアウトプットすることです。このスピーキング(=瞬間的なアウトプット)ができるようになるのに必要な4つのスキルについて解説します。

1. 英作文の基礎となる文法と単語

英作文を行うには、まず英文に使う単語と文法知識が必要です。文法知識と言っても、細かい専門用語(仮定法や現在完了形、分詞構文など)は覚える必要はありません。

英文は、単語を羅列しただけでは意味が通じず、正しい文法ルールに従って単語を並べ、はじめて意味の通った文章になります。

英語を話すのに複雑な文法や構文をわざわざ使う必要はありませんが、少なくとも中学レベルの基本英文法は不自由なく使いこなせるように押さえておきたいところです。

2. 英語の発音知識

次は、頭の中にある英作文に音をつけて口からアウトプットしましょう。自分だけが理解できるものではなく、ちゃんと相手に伝わるような音を出すには正しい発音を身につけなければなりません。

新しい単語は、発音記号を使って、スペルと音とセットで覚えるようにしましょう。お手本となるネイティブの音声を聞き、自分でも声に出して発音するようにすると、口の動きも記憶にも定着しやすいです。

また、伝わる英語を話すためには、個々の単語の正しい音声に加えて、それらの文中での音声変化のルールも習得することになります。

英語の音声変化(発音ルール)については、以下の記事で詳しく解説しています。

⇒英語の発音を良くするには?伝わる5つの発音ルールと練習方法

3. 言いたいことをすぐに表現できる瞬発力

相手のいる英会話やスピーキングのテストでは、言いたいことをすぐに表現する瞬発力も重要です。スピーキングの瞬発力を磨くには、頭の中で生成した英作文を、時間を置かずに声に出して発話するスキルと、相手が何を言っているか理解できるリスニング力を磨きましょう。

スピーキングを一人で練習するときは一方的にアウトプットを行いますが、実際のコミュニケーションにおいては話し相手がいるため、あらかじめ準備した英文を練習通りに発音するのではなく、相手の言った内容に応じてその場で英作文を行わなければなりません。

会話を成立させるには、相手が英語で何を言っているかを理解しつつ、言いたいことを英語ですぐに表現できる瞬発力が求められます。これはコンピュータに向かって声を吹き込むスピーキングテストでも同じことで、音声インストラクションを理解するだけのリスニング力は必要です。

4. 人前で英語を話す積極性や実行力

知識を蓄えたり、英作文をして口を動かす練習も重要なのですが、やはり実践の場数を踏まないことには、実用的なスピーキング力は伸びていきません。

特に日本人に多いのですが、「間違えて通じなかったらどうしよう」「自分の完璧でない英語を評価されたくない」という周りの目を気にするメンタリティが成長を妨げる一因となってしまうのです。

α. スピーキングテストでは回答構成力も問われる

TOEFLやIELTSのような英語のスピーキングテストにおいても、基本的に求められる能力は同じです。たとえばIELTSでは、スピーキングの評価基準を下記のように定めています。

  • Lexical Resource(語彙の豊富さ)
  • Grammatical Range and Accuracy(文法の幅と正確さ)
  • Pronunciation(発音)
  • Fluency and Conherence(流暢さと一貫性)

ただし、日常会話の時とは違い、与えられたテーマや条件に沿って英語を話さなければならないスピーキングテストの場合、英語力とは直結しない「回答構成力」を鍛えておく必要があります。

以下は一例ですが、問題を見るまでわからないテーマについて即興ストーリーを作って2分間で話すなどは日本語でも難しいのではないでしょうか。

「一番記憶に残っている家族旅行について話してください。」
「会社の健康増進のため、勤務時間中の禁煙を取り入れることに賛同しますか?」
「教育は国の発展にどのくらい重要な要素だと思いますか?」

試験によっては、「政治経済学」「環境学」「医療・生命科学」など、専門知識がなければ答えにくいトピックが頻出するものもあります。

もちろん、専門知識の有無を問う試験ではなく、あくまで語彙や文法に不足がないか、流暢さを保てているかなどを評価対象としています。

それでも、内容が稚拙にならないように、かつスムーズに回答するためには、出題分野に関して幅広い知見と語彙力を持ち、どのように回答を組み立てるかパターン化しておくといった対策をしておくべきでしょう。

英語スピーキングの具体的な練習法

単語・文法・発音の基礎固めができたら、あとはひたすら英作文をアウトプットするのみです。その具体的なトレーニング方法を2つご紹介します。

教材やアプリを使った音読やリピーティング

まず、教材やアプリの例文を使って英語を口に出すトレーニングです。自作の英文でなく、教材やアプリの例文でスピーキング練習を行うことには、次のようなメリットがあります。

  • 英語の音・リズム・強弱のお手本を聞ける。
  • 声に出して口の動きに馴染ませられる。
  • 単語やフレーズのインプットとアウトプットがバランスよくできる

以下、おすすめの教材とアプリをご紹介します。

おすすめ教材①『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』

大量の瞬間英作文を重ねることで、中学レベルの文法を徹底的に叩きこみ、言いたいこと・伝えたいことに対し、適切な場面で的確な英文法を引き出す瞬発力を高めます。

出典:Amazon

書籍版では、左のページに日本文、右のページに正解の英文が書いてあります。以下、本書推奨のトレーニング手順です。

  1. 左ページの日本文を見て、口頭で素早く英作文する。
  2. 右ページの英文を見て、答え合わせ。
  3. 英文を見ながら何度か音読し、口に馴染ませる。
  4. 日本文を連続して英作文を繰り返す。

ここまでで、単語や表現の意味、文の構造で分からないところがないようにしておきます。

本書付属CDの音声では、最初に日本語音声が流れ、数秒間のポーズののち、英語音声が流れます。文字ではなく音声に反応して、ポーズの間に瞬間英作文をしていくトレーニングです。英語音声の発音やリズムもチェックしましょう。

このシリーズにはアプリ版もあります。書籍版で右のページを隠すように、アプリ版では最初に日本文のみが表示され、のちに答えとなる英文が表示されます。日本文と英文を見開きで一覧したいという方には書籍版がおすすめです。

おすすめ教材②『バンバン話すための瞬間英作文『基本動詞」トレーニング』

前述の『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』の後継書ともなる本書は、get, make, haveといった14の基本動詞の解説、および800以上の例文が収録されています。

身の回りの表現はおおむね網羅されているため、動詞や前置詞の本質的な意味をイメージし、基本動詞を瞬発的に使いこなせるようになります。

英文の中には、対象となる単語や文法を使うために無理に用意したような例文もあるため、不自然な英語表現もありますが、英文として間違っているわけではありません。

仮にネイティブに指摘されれば、その経験とともに記憶すればいいだけの話なので、例文を選り好みすることに時間をかけるくらいなら、すべて覚えてしまうくらい周回数を重ねることをおすすめします。

おすすめ教材③スタディサプリ新日常英会話コース

スタディサプリ新日常英会話コースは、ドラマ形式の会話文をベースに、実践的なフレーズを学ぶことができる総合英語学習アプリです。

重要な文法事項のレクチャーをはじめ、リスニング力アップや弱点把握に有効なディクテーション、独学では手を付けにくいシャドーイング、ドラマの役を演じる発話練習など、さまざまなトレーニングが用意されています。

初級レベルでも日本人には聞きなれないフレーズが扱われており、実際に使える英会話力を養うことができます。

おすすめ教材④AI英会話アプリ「スピークバディ」

スピークバディは、AIキャラクターを相手にリアルな英会話を体験できるAI英会話アプリです。表示された英文の音読や英作文に対し、AIが発音・抑揚などの正確性を診断してくれます。自分の発音を録音再生する機能もあるため、お手本と聞き比べて改善点を見つけることも可能です。

レッスン外でも、AIと自由に会話することができますが、発音が悪かったり、文が上手に組み立てられなかったりすると、「聞き取れなかったからもう一度言ってほしい」と言われてしまいます。こちらは自分の成長を確認するために利用するとよいでしょう。

独り言やライティングによる英作文を繰り返す

英語で独り言を言うのも、アウトプットのトレーニングになります。独り言トレーニングでは、机に向かっている間だけでなく、料理をしている時、道を歩いている時などのスキマ時間を利用して、考えたことや感じたことを口に出すだけで、英語力を磨くことができます。

また、スピーキングだけでなく、ライティングによるアウトプットトレーニングも有効です。

新しく単語・表現を覚えたら、目の前にあるものの状態や使い方などについて、英語でライティングをしてみましょう。

目の前のものを英語でどう表現していいか分からなかったら、インターネットで調べるくせをつけると、アウトプットのスキルだけでなく、語彙も豊かになります。

このように英作文などのアウトプットを繰り返すことで、英語を英語で考える「英語脳」が身につき、それによってさらにアウトプットスキルが高まるという相乗効果が生まれ、スピーキング力アップにつながるのです。

英語スピーキングを早く上達させるコツ

アウトプットの勉強法を意識的に多くする

中学・高校での学習を含め、英文法や文章読解といったインプットに取り組んできたという方は多いのですが、日本で生活をしていると英語をアウトプットする機会はほとんどないため、意識的にアプトプットの機会を多めに設ける必要があります。

新しいフレーズを覚えたり、ネイティブ・非ネイティブのさまざまな英語に触れたりと、もちろんインプットも重要なのですが、意識はアウトプットに寄せておいた方が、インプット・アウトプットのトレーニングをバランスよく行うことができるでしょう。

発音は早い段階で習得、または矯正する

英語は多少なら発音が間違っていても、前後の文脈でなんとか伝わることもあります。相手からすると聞き取りにくいのですが、本人は中途半端にでも通じる英語を手に入れてしまうと、そこから改めて発音を学ぶのは億劫になってしまうものです。

もちろん発音を習得するのは楽ではありませんが、定着してしまった誤った発音を矯正するのはもっと大変です。スピーキング練習の早い段階で発音知識を付け、単語やフレーズも正しい発音で耳と口で覚えるようにしましょう。

正しい発音ができるとリスニング力も向上し、実際に英会話を行う時も相手に通じやすくなります。また、テキストを見なくても耳から新しい単語を学べるようにもなり、発音を習得しておくことで、スピーキングだけでなく全体の学習効率が何倍にもアップするのです。

発音特化型英語コーチングサービス「ハツオン」では、個々の英語の音だけでなく、音声変化のルールや英語独特のリズムなどをプロ講師から学ぶことができます。

一人でのスピーキング練習の合間に英会話も取り入れる

スピーキングは、発音が上達しているか、自然な表現を使えているか、今行っているトレーニングの方向性は合っているのかといったことを自分で評価しづらいです。

独り言や英作文ライティングなどの自主トレーニングは、日本で不足しがちなアウトプットの「量」を補うために不可欠ですが、量をこなす中でも「質」を担保しておくため、定期的に英会話やスクールで第三者にチェックしてもらうことをおすすめします。

スピーキング練習を実践的なコミュニケーションに落とし込んでみる、インプットしたフレーズが正しいか確かめてみるといったこともできるため、毎日ではなくとも週に何日かは英会話を取り入れるのは有効です。

ミライズ英会話に在籍するでは、講師全員がT英語を教えるプロ資格「TESOL」を保有しており、明るくホスピタリティにあふれたレッスンが提供されています。質の高い講師の授業を受けたい人、英会話レッスンに苦手意識を持っている人におすすめです。

ミライズ英会話に在籍する全ての講師は、国際的な英語教授法である「TESOL」の公認トレーニングを受講・修了しており、言わば英語を教えるプロです。また、発音学習もカリキュラムに組み込んでいるため、短期間でもスピーキング・英語力の伸びを実感いただけます。

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英語スピーキング勉強法に関するよくある質問

英語のスピーキング練習は一人でもできますか?

英語のスピーキング練習として、瞬間英作文などの書籍やアプリ・英語で独り言をつぶやく・英作文を書き留めるなど、アウトプットのトレーニングを一人で行うことは可能です。

ただし、日々のトレーニングの方向性が正しいかどうか確認するために、第三者、できれば英語教育に通じたプロの手を借りると、より効果的にスピーキング力をアップさせることができます。

英語で独り言をつぶやこうとしても出てきません。

英語で独り言をつぶやくには、よく使うフレーズや語彙が頭に入っている必要があります。独り言ができない場合は、教材やアプリの例文を使って、まずはよく使うフレーズを声に出して口に馴染ませるトレーニングから始めましょう。

教材としては、日本語を瞬時に英文に訳す「瞬間英作文」や、英会話アプリがあります。詳しくは、教材やアプリを使った音読やリピーティングをご覧ください。

社会人から英語学習を始めてもスピーキングは習得できますか?

社会人から英語学習をはじめても、英語スピーキングを習得することは可能です。大人になると子どもより英語を覚えにくい傾向はありますが、理屈で文法を理解する力はむしろ子どもより高くなります。

また、人によって上達の早さが違うように感じられるかもしれませんが、上達の早い人は、学習により多くの時間を割いていたり、効率の良い学習法を採用しているといえます。

そこで、仕事が忙しくてなかなか学習時間が取れないという方には、「英語コーチング」をおすすめします。

英語コーチングなら、受講生に合わせたカリキュラムを提案してくれるため、自分で学習法を探す手間が省けますし、目標達成のための最短距離を提示してくれます。

英語スピーキングの習得にかかる期間はどのくらいですか?

英語スピーキングの習得にかかる時間は、学習者の現状と目標としている英語レベルとの差や、1日に確保する時間と学習頻度、そして周りを取り巻く環境によってまちまちです。

たとえば、1日に3時間の学習時間を確保して英語学習にコミットする人もいれば、1日5分から学習を始める人もいるでしょう。1日あたりの学習時間が長いほど、学習の頻度が高いほど、上達が早い傾向があります。

また、基本的な文法と単語の学習から始めなければならない人もいれば、すぐにスピーキングやライティングによるアウトプットのトレーニングをスタートできる人もいるわけです。

単語や文法に問題なく、アウトプット練習もしているのに、話してもなかなか伝わらないことがよくあるのであれば、発音を見直す必要があるかもしれません。

発音矯正にはそれなりの労力がかかりますが、MeRISEの発音コーチングサービス「ハツオン」では、多くの受講者が2ヶ月のレッスン受講で目標を達成しています。

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