カタカナ英語とは?通じない理由と改善法について解説

発音ノウハウ|更新日 2023年7月6日
単語や文法は合っているはずなのに、なぜか英会話が通じないということはありませんか?もしかしたら、それは発音が「カタカナ英語」になっているせいかもしれません。 この記事では、カタカナ英語が通じない理由と、特に通じにくい具体的な単語について、日常英会話とビジネス英語に分けて紹介します。 カタカナ英語を改善するための勉強法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

カタカナ英語とは?

カタカナ英語とは、「日本語訛りで発音される英語」のことです。

後に紹介する「和製英語」と同じ意味で使う場合もありますが、本記事では、「英単語のスペルと意味は合っているけれど、発音が日本語のカタカナのまま」というケースをカタカナ英語と呼んでいます。

カタカナ英語 英単語 発音記号
アポイントメント appointoment əˈpointmənt
ボランティア volunteer ˌvalənˈtir
アルコール alcohol ˈalkəˌho:l

例えば、主にビジネスなどでの約束を「アポイントメント(アポ)」といいますよね。

しかし、カタカナ英語の「アポイントメント /apointomento/」と、正しい英語の発音 /əˈpointmənt/ には大きな違いがあります。ちなみに「アポ」という略語も日本独特のもので、どちらも英語話者には通じません。

「ボランティア」も、本来の発音は/ˌvalənˈtir/(ヴァーランティーア)で、「アルコール」は /ˈalkəˌho:l/(アルカホール)となるため、カタカナ英語のままでは通じません。

カタカナ英語と和製英語との違いは?

カタカナ英語が、日本語訛りで話される英語であるのに対し、和製英語は、日本で作られた英語のような言葉を指します。

和製英語 英単語
ノートパソコン laptop
ペットボトル plastic bottle
ガソリンスタンド gas station

例えば、「ノートパソコン」と言いたい時、「note PC」と言っても通じません。「laptop 」というのが正しい英語表現になります。ちなみに「パソコン」という略語も通じません。

ペットボトルやガソリンスタンドも、英語のように聞こえますが、日本で生まれた言葉なので、英会話の中で使っても理解してもらえないでしょう。

和製英語は日本生まれの言葉なので、海外で通じないのは当たり前です。

しかしカタカナ英語が英語話者に通じないのは発音の問題なので、英単語として正しいぶん、むしろコミュニケーションに支障が生じる可能性があるのです。

カタカナ英語が通じない理由

日本語と英語が持つ音の数の違い

英語は、日本語より圧倒的に音の数の多い言語です。下の図は、日本語の母音と子音の数です。

日本語の母音は5つ、子音は14個あります。それに対し、英語の場合は、母音が16個、子音は24個もあります。

つまり、英語の発音には、日本語のカタカナで表せない違いが多数あるということになります。例えば、日本語では1つの「ア」として認識されている音が、英語では4種類の「ア」として区別されています。

また「hat(帽子)」と「hut(小屋)」は、カタカナ英語ではどちらも「ハット」と表現されますが、英語では前者は /hæt/、後者は /hʌt/ と、「違う音の単語」として認識されます。

カタカナ英語で話していると、このような誤解を生む単語が連続することになり、英語話者とのコミュニケーションに支障が生じる可能性があるのです。

単語のアクセントの種類が違う

日本語は「ピッチ・アクセント」の言語であるのに対し、英語は「ストレス・アクセント」の言語といわれています。

日本語の標準語では「雨」と「飴」の違いを音の高低で区別します。これを「ピッチ・アクセント」といいます。

それに対し英語は、「REcord(記録)」と「reCORD(記録する)」といった違いを、音の強弱で表現します。そのため、正しい場所にストレス(強勢)を置くことを意識されてないカタカナ英語では、時に違う単語の意味が伝わってしまい、誤解を生む可能性があるのです。

例えば、「object」という単語は、「OBject」と最初の音節を強く読むと「物体」という意味の名詞になり、「obJECT」と2番目の音節を強く読むと「反対する」という意味の動詞になります。このような区別は日本語にはないものです。

そのため、「I OBject to the new policy.(私は新しい政策に反対です)」などと発言すると、英語話者は「私、物体……」と聞こえる発言に強い違和感を覚えるかもしれません。

文脈である程度分かってもらえる可能性もありますが、それだけ相手の理解力に負荷をかけてしまうことになり、コミュニケーションが円滑に進まない可能性があります。

文章や会話のイントネーション(抑揚)の付け方が異なる

文章や会話のイントネーション(抑揚)も日本語と英語では違います。

日本語は抑揚が少なく、基本的に平板な調子で発音する言語です。
それに対して英語ではイントネーションが非常に重視され、文法によって決まっていたり、イントネーションによって話者の意図が大きく変わったりします。

例えば、「You like fish.」という文を発音する時に、「You LIKE fish?」というイントネーションで発音すると、「魚が好きだったの?(嫌いだと思ってたよ)」といったニュアンスになる一方で、「You like FISH?」というイントネーションだと、「魚なんか好きなの?(私は大嫌いだよ)」というニュアンスになります。つまり、イントネーション次第で話者の意図が大きく異なってしまうのです。日本語では、このような区別はありません。

イントネーションの違いで文の意味の違いが生じない日本語の感覚でカタカナ英語を話してしまうと、思わぬ誤解を生みかねないのです。

日常英会話でよくある間違いカタカナ英語

以下に、日本人が日常生活で発音を間違えがちなカタカナ英語の例を挙げます。

カタカナ英語 英語表現
ボリューム volume /‘vɑljum/
サラダ salad /‘sæləd/
ツイッター twitter /‘twɪtər
クレジットカード credit card /‘kredit kɑrd
オーブン oven /‘ʌvn/

「ボリューム(音量)を下げてください」という時の「volume」は、「ヴァリュム」のように発音しないと通じません。語頭の「v」と、アクセントの位置に気を付けて発音しましょう。

saladは、スペルを見ても分かりますが、語尾に「a」はつきません。アクセントの位置にも注意しましょう。

Twitterは、英語では「ツイッター」ではなく、「トゥィラー」のような発音になります。英語本来の発音が、カタカナ英語と全然全然違うことが分かると思います。

クレジットカードの場合、日本人は「カード」を強く読みがちですが、英語では複合名詞やそれに近い名詞句は、最初の名詞を強く読むことが多いです。また、最初のcreditは、クレジットではなく「クレディ」のようになります。「di」の発音とともに、最後の「t」が消失することに注意しましょう。

ovenは、敢えてカタカナで表現するならば「アヴン」のような発音になります。

ビジネスシーンでよくある間違いカタカナ英語

以下は、ビジネスの現場で日本人が間違えがちなカタカナ英語の例です。

カタカナ英語 英語表現
メッセージ message /‘mesidʒ/
デジタル degital /‘didʒitəl/
キャリア career /kə’riər/
エビデンス evidence /‘evid(e)ns/
スタッフ staff /‘stæf/

メッセージという言葉は、日本人は「セー」を強く発音しがちですが、実際には「メ」を強く発音し、「メッセジ」のような音になります。


digitalという言葉は、「デジタル」では通じないので、「ディジタル」のように発音しましょう。

careerは、「カリーアー」のように、特に「リー」を強く発音します。「キャ」を強く発音するカタカナ英語では通じないので注意しましょう。

evidenceは、「エ “ビ” デンス」と「b」の発音ではなく、「v」の発音を心がけましょう。ストレスも「デ」ではなく、「エ」に置くことが大事です。

staffの語尾は、カタカナ英語では「hu」という語尾になりがちですが、実際には「f」の発音であり、語尾に母音はつかず、子音も違います。

日本語で表記するカタカナの固定概念にとらわれないようにしましょう。

カタカナ英語を使用してしまうデメリット

カタカナ英語を習得してしまうと、実際に英語を話すうえで様々なデメリットがあります。

伝えたいことが伝わらない

英語でプレゼンなどをする場合、言いたい内容についてある程度準備していくことが多いですよね。
しかし、せっかく正しい英語表現を把握していても、発音がカタカナ英語になってしまっていては、コミュニケーションが上手くいかない可能性があります。

特にビジネスシーンでは、会議やプレゼンで発言内容を何度も聞き返されたりして、仕事が進まないという事態になりかねません。

正しい発音がしづらくなる

カタカナ英語が一度しみついてしまうと、正しい発音に直すのに時間がかかり、新しい英単語や表現を覚えるのも二度手間になってしまいます。

また、英語には「th」など、カタカナで表現できない音が多く、日本語にない発音の習得に苦労する原因にもなります。

リスニングが上達しにくい

英語の発音を学ぶには、正しい英語の音を理解する必要があります。

英語の音の仕組みを理解して、初めて自分で発音できるようになりますし、自分で発音できるようになると、英語はぐんと聞き取りやすくなるのです。

そして逆を言えば、発音できない音は聞き取れないのです。

そのため、カタカナ英語を習得してしまうと、自分の発音が通じにくくなるだけでなく、リスニングも上達しにくいという事態につながります。

カタカナ英語から脱却するための正しい発音練習方法

カタカナ英語から脱却し、正しい英語の発音を習得するにはどうしたらよいのでしょうか。おすすめの勉強法を紹介します。

フォニックスを学び練習する

フォニックスとは、発音と文字の関係性を学ぶ音声学習法です。もともとは、英語圏の子どもたちに読み書きを教えるために開発されました。

先にアルファベットの発音を学ぶことで、初めて見た単語でも読むことができるようになります。

全アルファベットの読み方・発音のコツについてはこちらの記事でも解説しています。

発音記号を覚える

発音記号とは、言語の発音を体系的かつ忠実に表すために開発された記号です。

英語は綴りと発音が一致しないことも多いので、正しい英語の発音を学ぶには、発音記号を覚えることが不可欠です。

たとえば、「daily(毎日の)」と「dairy(乳製品)」という単語を比較してみましょう。カタカナ英語で考えると、どちらも似たような印象を受けてしまいますよね。

しかし実際は、「daily」の発音は /’deili/(デイリィ)であるのに対し、「dairy」の発音は /’deəri/(デアリィ)です。

このような違いを把握するには、発音記号を学ぶのが最も効率的といえます。

発音記号について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

声に出して練習する

正しい発音を身につけるには、実際に声に出して練習することが不可欠です。

独学でトレーニングする方法としては、音声教材付きのテキストを使ってお手本の音声を真似したり、YouTubeチャンネルで配信されている動画の利用が考えられます。

ただし、フィードバックをくれる第三者がいないと、自分の発音のどの部分が間違っていて、どう改善すればいいか自分自身で気づく必要があります。

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最後に

カタカナ英語がどんなものか、そしてどのように改善すればいいか分かっていただけたでしょうか。

せっかく単語と文法の知識を勉強したのに、発音がネックになって英語が通じないというのは、非常にもったいないことです。

ぜひ、正しい発音を手に入れて、英語でのコミュニケーションを円滑にし、ビジネスや人生で成功を掴んでください。

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