
英語の発音ルール7つを解説|効果的な練習方法と発音を学ぶメリット
目次
発音ルールを覚えるメリット
自分の伝えたいことが正確に相手に伝わる
英語の発音ルールを覚える一番のメリットは、自分の伝えたいことが、ニュアンスまで相手に正確に伝わるようになるということです。
英語の発音ルールにある「リンキング」や「リダクション」を把握していないと、言っている内容が伝わりません。
そして、「イントネーション」のルールを把握していないと、英文自体は正しくても、意図しないニュアンスで伝わってしまう可能性があります。
英語のコミュニケーションの場で誤解を生まないためにも、正しい発音とルールを覚えましょう。
リスニング力が向上する
英語の発音ルールを覚えるメリットとしては、リスニング力がアップするということも挙げられます。
英語の発音ルールを覚えると、自分で英語を正しく発音できるようになります。
そして自分で英語を正しく発音できるようになると、その音を聞き取れるようになるのです。
発音できない音は聞き取ることもできません。
発音を学ぶことは、リスニング力アップの近道になるのです。
英単語を覚えやすくなる
発音ルールを学んでおくと、英単語を覚える時、それぞれの単語のつづりと意味に加えて、その単語の発音もセットで覚えることになります。
一つの単語を覚えるのに、音というもう一つの情報が加わることになり、その単語を何度も口にだして発音する機会も増えるので、学んだ英単語が定着しやすくなるのです。
より自然な英文を書けるようになる
発音ルールを身につけておくと、ライティングの際にも正しい英語音声が頭の中に流れることになります。
英語音声を手掛かりにしてライティングを行うと、文法的・意味的に自然な文が書けるようになります。
発音ルール
1.アメリカンT
アメリカ英語の/t/の音を含む単語は、/t/として発音されず、特徴的な音声変化をする場合があります。
代表的なアメリカンTの発音方法にはFlap T・Held T・Glottal T・Silent Tの4つがあります。
1-1 Flap T
Flap Tは、舌先が瞬間的に軽く上顎を弾く音で、/l/や/d/の間のような音になります。
例え ば ”water” という単語は、「ワーラー」や「ワーダー」という発音になります。
/t/だけでなく/d/にも同様の現象が起こります。
Flap Tが起こるのは、以下のような環境です。
・直前にアクセントが置かれている
・母音 + /t/ + 母音 例)water
・/r/ + /t/ + 母音 例)started
・母音 + /t/ + /l/ 例)bottle
・/r/ + /t/ + /l/ 例)portal
Flap Tを正しく発音するには、まず、日本語の「ら行」のマウスポジションを取ります。
そして/l/と/d/の間の音を意識しながら、素早く、軽く上顎を弾いて発音します。
Flap Tが起こる発音の例は以下の通りです。
better
pretty
1-2 Held T
Held Tは、舌先を前歯の裏の歯茎につけ、息を止めて/t/を発音するため、/t/の音が消えたように聞こえる現象です。
/d/にも同じ現象が起こることがあります。
Held Tは、以下のような環境で起こります。
・単語の最後の/t/
・後に子音が続く
Held Tを正しく発音するには、/t/のマウスポジションを維持したまま息を通さず止めます。
Held Tが起こる単語には、以下のようなものがあります。
right
outside
1-3 Glottal T
Glottal Tは、声門を閉じて喉元で息を止め、音を飲み込んだように発音する/t/です。
先ほどの「Held T」は/t/のマウスポジションで息を止める音だったのに対し、Glottal Tは喉元を締めて飲み込むようなイメージの音です。
Glottal Tが起こるのは、語中に/t/がある状態で、後ろに/n/が続く場合です。
Glottal Tを正しく発音するには、/t/のマウスポジションを維持したまま、喉の奥で『ッン』と飲み込むのがポイントです。
Glottal Tが起こる単語の例は、以下の通りです。
written
important
1-4 Silent T
Silent Tは、/t/がはっきり発音されず、後に続く/n/に吸収され、鼻にかかったような音で強調して発音される現象です。
Silent Tは、語中で/n/と/t/が並ぶ場合に起こります。
正しく発音するには、/t/として発音せず、/n/の音を強調しましょう。
Silent Tが起こる単語の例は以下の通りです。
internet
twenty
アメリカンTについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
2.Linking
リンキングとは、会話のスピードやリズムを整えるために、単語と単語を繋げて発音することを指します。
リンキングは、主に子音で終わる音の語尾と母音で始まる音の語頭がくっつく状態で起こりますが、他にも様々な環境下で起こります。
具体的には、以下のような状況で起こります。
1.子音+母音 (C+V)
【子音で終わる単語】と【母音で始まる単語】が連結する場合、それが一つの音として発音されます。
find-out/faɪndˈaʊ/
go-on/ɡoʊwɑn/
2. 子音+子音 (C+C)
【子音で終わる単語】と【子音で始まる単語】が連結する場合、最初の子音を発音せず、ホールドして溜め、後の子音だけを発音します。
big-game/bɪˈɡeɪm/
can-never/kæˈnɛvər/
3. 母音+母音 (V+V)
【母音で終わる単語】と【母音で始まる単語】が連結する場合、組合せによって、間に/j/や/w/のような滑らかな音として発音されます。
3-1. /ei/, /i:/, /aɪ/, /ɔɪ/ で終わる単語に/y/が挿入される
I-ate out/aɪyeɪt aʊt/
I’ll buy-it/aɪl baɪyɪt/
3-2. /oʊ/, /u:/, /aʊ/ で終わる単語に/w/が挿入される
go-on/ɡoʊwɑn/
I know-it/aɪ noʊwɪt/
4. 子音+/y/
4-1. /t/ + /y/ = /tʃ/
Don’t-you like it?/doʊntʃu laɪk ɪt?/
Didn’t-you visit her?/ˈdɪdəntʃju ˈvɪzət hɜr?/
4-2. /d/ + /y/ = /dʒ/
Did-you know?/dɪdʒu noʊ?/
Would-you help?/wʊdʒu hɛlp?/
4-3. /s/ + /y/ = /ʃ/
Bless-you!/blɛʃu!/
Press-your hand together/prɛʃʊər hænd təˈɡɛðər/
4-4. /z/ +/y/ = /ʒ/
How’s-your trip?/haʊʒʊər trɪp/
She says-you’re okay/ʃi sɛʒʊr ˌoʊˈkeɪ/
リンキングについてもっと知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
3.Reduction
リダクションとは、会話のスピードやリズムを整えるために、単語や音節の発音を簡略化する現象のことです。
リダクションには、以下のようなパターンがあります。
・機能語が短縮される
・助動詞や否定語が短縮される
・子音が脱落する
・ストレスを置かない音節を省略、または/ə/として短縮する
機能語とは、主に文の意味を伝える語(名詞、動詞、形容詞、副詞など)と対照的に、文の形式や構造をサポートする役割を持つ語のことをいいます。
例えば、前置詞、代名詞、接続詞、助動詞、冠詞、数詞などがあります。
例を挙げると、多くの場合代名詞「him」は短縮されて/əm/(ィム)と発音されます。
I call him /aɪ kɔləm/
また、前置詞「to」も短縮されて/tə/(トゥ)と発音されます。
I’d like to go. /aɪd laɪk tə ɡoʊ./
リダクションについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
4.Stress&Syllable
シラブル(音節)とは、単語を構成する音の塊で、単語の発音を分割する単位として機能しています。
「global」という単語は、「glob・al」の2つの音節に分けることができます。
「decision」という単語は、「de・ci・sion」の3つの音節に分けることができます。
そして、ある音節を発音上特に強調することを「ストレスを置く」といいます。
ストレスが置かれた音節は、強く長く発音され、他の音節は短く弱く発音されます。
「global」という単語の場合、「glow・bl」と、最初の音節「glob」にストレスが置かれ、強く長く発音されます。
「decision」の場合は「de・ci・sion」と2番目の音節「ci」にストレスが置かれ、強く長く発音されます。
ストレスとシラブルについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
5.Focus word
フォーカスワードとは、文章や会話の中で、特に強調したい単語のことです。
フォーカスワードは、他の単語よりも長くはっきり発音されます。
多くの場合、フォーカスワードとなるのは内容語(名詞、動詞、形容詞、副詞など)で、機能語(冠詞、前置詞、代名詞、接続詞、助動詞、助詞など)は弱く短く発音されます。
例えば、「I got a new job.」という文では、内容語である「got」と「job」がフォーカスワードとなり、強くはっきり発音されます。
他の単語は弱く発音されたり、リダクションを起こします。
「It’s too long.」という文でも、内容語である「long」がフォーカスワードとなり、強くはっきり発音されます。
フォーカスワードについて詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
6.Thought group
Thought groupとは、1つの文の中で、意味的にまとまっている単語のグループのことを指します。
例えば、「I went to the store and bought some apples.」という文は、
1.「I went to the store and」
2.「bought some apples.」
という2つのThought groupで構成されています。
1つのThought groupは、発音するときに一度にまとめて発音し、それぞれのThought groupとThought groupの間は少し間隔をあけます。
The English language / uses thought groups / for clear communication.
意味のまとまりについて詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
7.Intonation
イントネーションとは話し手が文や単語の意味(意見、疑問、命令)を強調したり、感情(皮肉、驚き、興奮)を表現したりするために、音程やリズム、音量、速度などの要素を組み合わせて使う、音声の調子のことをいいます。
肯定文・Wh疑問文では語尾のイントネーションを下げ、Yes/No疑問文では語尾のイントネーションを上げます。
My name is John⤵︎.
Did he work yesterday⤴︎?
イントネーションについて詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
発音ルールを覚える方法
英語の発音を覚える方法としては、参考となるテキストを利用する方法や動画を見て学ぶ方法、発音に特化した英語コーチングサービスを利用する方法があります。
発音テキスト
発音を教えるテキストを選ぶ場合は、文章のみのものではなく、CDやダウンロード音声付きのものを選びましょう。
文章で説明されるより、お手本となるネイティブの音声を聞けた方がイメージがわきやすく、効率よく発音を学ぶことができます。
ただし、テキストの場合は映像がないので、お手本となる口の形を確認できないという問題があります。
YouTube動画
YouTubeチャンネルなどの動画配信サービスを利用すれば、無料で発音トレーニングができます。
お手本となるネイティブの口の形を見ることもできるので、音声を聞きながら真似をすることができます。
ただ、自分の発音の改善点については、自分で録音した音声と動画音声を聞き比べるなどして見つける必要があります。
そのため、独学のみで発音を上達させるには、ある程度の時間がかかります。
発音コーチングサービス
英語の正しい発音を習得するには、発音特化型の英語コーチングサービスを利用するという方法もあります。
英語コーチングなら、それぞれの受講生の弱点に合わせたカリキュラムをオーダーメイドしてくれます。
また、自分の発音に対してコーチが適切なフィードバックをくれるので、自分の改善点を客観的に洗い出すことができ、効率よく正しい発音を習得できます。
ミライズのハツオン
発音特化型英語コーチングサービスとしておすすめなのが、オンライン英会話のMeRISE株式会社が提供する「ハツオン」です。
MeRISE株式会社は、英語学習サービスを通じて10年以上英語学習者に向き合ってきました。
その中で、日本人が直面しやすい「発音」の問題を解決するために誕生したのが「ハツオン」です。
「ハツオン」では、発音記号とともに、音声変化などの発音ルール、発声方法までトレーニングしていきます。
短期間で正しい発音ルールが身につくため、発音が劇的に変化するのを体験することができます。
さいごに
この記事では、7つの発音ルールを紹介しました。たくさんルールがあって覚えきれないという人もいるかもしれません。
しかし、発音ルールを一度覚えてしまうと、正しい発音を習得することができるだけでなく、リスニング力アップなど、様々なメリットがあります。
発音特化の英語コーチングサービスなどを利用して、発音ルールを学んでみてはいかがでしょうか。