英語が聞き取れない5つの原因と対策!リスニングを伸ばす勉強法も解説

英語勉強法|更新日 2023年9月29日
生の英語・ネイティブの英語が聞き取れない...文頭の数単語しか集中して聞き取れない...何度聞いてもテキスト通りに聞こえなくてイライラする...など、英語リスニングの課題や悩みは尽きません。 本記事では、あらゆる「英語が聞き取れない」具体的な症状から原因を解明し、それぞれに適切なトレーニングをご紹介します。英語が聞き取れる!の経験からリスニング力をさらに向上させる勉強法もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

そもそも「英語が聞き取れない」とは?具体的な症状は個人差がある

ひと口に「英語が聞き取れない」と言っても、その具体的な事象や悩みは人によってまちまちです。たとえば、以下のような経験はありませんか?

  • 文頭の数単語しか集中して聞き取れない。
  • リスニング教材の英語は結構わかるのに、生の英語になるとさっぱり。
  • 何度聞いてもテキスト通りに聞こえなくてイライラする。
  • 最初の方に聞き取った内容を忘れてしまう。

複数あてはまる方もいるかもしれません。実は、上記の英語が聞き取れない症状は、それぞれに原因があり、また対策方法も異なるものです。すなわち、英語が聞き取れない具体的な症状がわからなければ、その処方箋となる勉強方法を選び出すこともできません。

英語が聞き取れないを解消する基本ステップ

その一方で、聞き取れない原因が明確であれば、その原因にあった対策を徹底して行うのみです。本記事では、以下の3ステップで英語が聞き取れるようになるための対策を導き出します。

  1. 英語が聞き取れない「症状」を具体化する
  2. 症状から英語が聞き取れない「原因」を特定する
  3. 英語が聞き取れない原因を除去する「対策」に取り組む

原因を突き止めるため、まずは自分の「英語が聞き取れない」とは、どういう現象なのか改めて整理してみましょう。

英語が聞き取れない原因は5パターン

英語が聞き取れない原因は、大きく下記5パターンに分類されます。

  1. 語彙力の不足
  2. 発音知識の不足
  3. 英語特有の音声変化の認識不足
  4. 文法知識の不足
  5. 英文処理スピードの不足

まず、自分がどのパターンに該当するかを確定しましょう。以下に、「英語が聞き取れない症状と原因の対照表」をご用意しました。自分の症状と照らし合わせて原因を探ってみてください。

英語が聞き取れない症状 想定される原因
知らない単語が多い ①語彙力不足
知っている単語が聞き取れない ②英語の音の理解不足
③音声変化の認識不足
単語はところどころ聞き取れるが、意味が理解できない ④文法知識の不足
何度もトライするうちに聞き取れるようになる
最初の方や集中した箇所の数語しか聞き取れない
音声スピードを落とせば聞き取れる
⑤英文処理スピードの不足
テキストを確認して何度聞いても納得できない ③英語特有の音声変化の認識不足
④文法知識の不足

※下記の症状については、後ほど「教材や英会話レッスンでは聞こえるのに、生の英語になると聞き取れないのはなぜ?」で原因を解説しています。

  • リスニング教材はそこそこ聞き取れるけど、実際の会話になると相手の英語が聞き取れない
  • あるいは英会話レッスンやスクールで練習したのに、いざ旅先や出張先で生の英語を耳にするとまったく聞き取れなかった。

1. 語彙力不足

英語に限った話ではありませんが、人は「知らない単語」を聞き取れません。音には聞き覚えがあっても、ある単語を聞いてパッと意味までイメージできないと「意味のある音」として正しく聞き取れないのです。

日本語でもニュースを音だけで聞いていると、未知の単語がでてきて何と言っているのかわからないことはありませんか?映像付きでは、文字(漢字)から何となく意味と読み方を想像できるものの、音だけで意味と発音(読み方)を聞き取るのは難しいものです。

ましてや英語で見聞きしたことない単語やうろ覚えの単語が多いと、ほぼ理解できなくても仕方ありません。コツコツと語彙力を積み上げていきましょう。

2. 英語の音の理解不足

単語の意味やスペルを知っていて読解はできたとしても、それが音としてどう聞こえるのかを知らなければ、その単語が発音されても聞き取れません。

何度トライしても聞き取れなかったリスニング問題で、諦めて解答のスクリプトを見たら「あれ?知っている単語ばかり」という方は、それら英単語の「音」を正しく認識していないのが原因です。

英語は日本語よりも音の種類が多いため、自分が無意識にスペルから連想してしまう音が、実際に発声される音と大きくズレていると、簡単な単語なのに聞き取れないことがあります。

3. 音声変化の認識不足

英語は、2語以上の単語の組み合わせや英文を読む際に「音声変化」が発生します。たとえば、単語と単語をつなげて発音する「リンキング(連結)」や、単語にもともとある音を一部省略したり弱化したりする「リダクション(脱落)」は代表的な音声変化ルールです。

こちらも単語の音と同様に知らないと聞き取ることができないのはもちろんですが、音声変化が起こることを認識していなければ、スクリプトを見ながら何度聞いても納得できない部分が出てきます。

4. 文法知識の不足

単語はそこそこ聞き取れるのに文章の意味がわからない部分があるという場合は、英文を理解するための「文法知識」が不足しているかもしれません。

英語を聞いていると、単語が次々と流れてくるかと思いますが、それらをただの単語の羅列としてでなく、英文として意味が通じるように解釈するには「文法知識」が必要です。

さらに、リーディングの勉強とは違って、その場で立ち止まって考えたり調べたりする時間がないため、英語が聞こえた時に必要な文法事項を無意識に引き出して瞬時に意味を理解するほど定着が求められます。

5. 英文処理スピードの不足

英文処理とは、英語をインプット(読んだり聞いたり)してから、頭で理解しきるまでを指します。要するに、英語が聞こえてきた際に日本語訳を浮かべることなく、英語で聞こえてきたままに理解することです。

自分の英文処理スピードが聞こえてくる英語音声よりも遅いと、だんだんと遅れをとって途中から聞き取れなくなります。

実際のコミュニケーションでは、自分で聞き返してたり、ゆっくり話してもうらうように頼んだりできますが、リスニング問題となると容赦なく音声が流れていくので、「最初の方は理解できるのに、だんだん聞き取れなくなる…!」という現象が起こるというわけです。

英語が聞き取れない原因を解消する方法

英語が聞き取れない原因が特定できれば、それぞれに対応する適切な処置を取っていきます。

  1. 語彙力の不足
  2. 発音知識の不足
  3. 英語特有の音声変化の認識不足
  4. 文法知識の不足
  5. 英文処理スピードの不足

ここでは、上記のそれぞれを解消する対策・勉強法を解説します。

1. 語彙力不足の対策|中学レベル+実際の文脈での語彙を増やす

単語を知らなかったことで英語が聞き取れなかったのであれば、シンプルに語彙力を高めていくのみです。まずは中学レベルを押さえ、あとは必要に応じて「聞き取れるようになりたいテーマ」に応じて語彙を広げていきましょう。

中学レベルの語彙があれば、基本的なコミュニケーションは十分に成立します。その先は、日常的に英語の記事を読んだり、映画を見たりすることで、実用的な語彙を広げていくことも可能です。また、試験対策であれば、その教材に出てきた単語をカバーしていくことになるでしょう。

ちなみに、一度見聞きしただけで新しい単語を覚えることはほぼ不可能です。何度も見たり聞いたりしているうちに自然と覚えていきます。むしろ、すぐ忘れることを前提に、毎日同じ音声を聞いたり、自分でも声に出してみたりするなどして、自分で単語を使いこなしながら定着させていきましょう。

2. 英語の音の勉強法|自分で正しく発音できるようになること

単語の「音」が聞き取れるようになる条件は、「自分がその音を正しく発音できること」です。新しく単語を覚える際は、必ず意味と音(発音)をリンクさせて覚えるようにしましょう。

正しい発音を習得するには、発音記号などで英語の母音・子音を一つずつ学び、正しく発音できるようになるまで声に出して練習する必要があります。方法としては下記の通り。

  • テキストや動画レクチャーから自分で学ぶ。
  • 発音チェックのできる英語アプリを利用する。
  • 専門家から発音矯正の指導を受ける。

発音学習は、正しくできているかの自己判定が難しいのですが、少なくとも自分の口の動きを鏡で確認したり、声を録音したりしてネイティブのお手本と比べるようにしましょう。定期的、または短期集中でもいいので第三者(プロ)にチェックしてもらうことを推奨します。

⇒英語発音矯正スクール5選!独学向けおすすめアプリも紹介

3. 音声変化に慣れる方法|頻出5パターンを確実に押さえる

本来は、国や地域ごとに異なる細かい癖なども含めて、さまざまな音声変化が存在するのですが、標準的なルールとして押さえておくべきパターンがいくつかあります。それが以下の5パターンです。

  1. ストレスを置かれた音節は強く発音する(単語のアクセント
  2. 単語と単語を連結して発音する(リンキング
  3. 単語にもともとある音を発音しない(リダクション
  4. 重要な単語を強く長く発音する(フォーカスワード
  5. 特徴的な音声変化をするアメリカ英語の/t/(フラッピングなど)

知らないと聞き取ることが難しく、また非ネイティブも当然のように使う傾向にある代表的な音声変化パターンです。以下の記事では、これらの発音ルールを詳しく解説しています。

⇒英語の発音を良くするには?伝わる5つの発音ルールと練習方法

4. 文法力の上げ方|英語を聞き取るための文構造を優先的に学習する

聞こえてくるのは知っている単語ばかりなのに、その英文の意味が理解できないというケースでは、文法知識に抜け漏れがあることが原因です。

ここでの文法知識とは、細かい専門用語まで覚えておくことではなく、「英文を読み聞きするために必要な文法をいつでも引き出せる状態」にしておくことです。長い文や複雑な文章構造が聞こえてきたときに、じっくり考えている暇はありませんよね。

中学3年間の基本文法を押さえておくことで、ほとんどの英文は単語やイディオムさえ知っていれば理解できます。日常的に頻繁に使われる基本文法を繰り返し見聞きして、使われ方を感覚的に身につけていくのが理想です。

5. 英文処理スピードを上げる方法|速読トレーニングを取り入れる

英文処理スピードを上げるには、英語を日本語を介さず、そのままの語順で理解するくせをつける必要があります。この場合は、一旦リスニングから離れて、(または並行して)速読トレーニングを取り入れてみてください。

ここのロジックですが、自分の読解スピードよりも速く流れる音声は、だんだん理解が追いつかなくなります。これは言い換えると、「読解スピードを強化することで、速い音声も聞き取れるようになる」ということです。

速読トレーニングでは、途中で知らない単語が出てきても立ち止まらず、大枠を捉えることを心がけてみてください。日本語に訳さず速く読む癖をつけるため、最初は語彙や文法が簡単なものから始めることをおすすめします。

教材や英会話レッスンでは聞こえるのに、生の英語になると聞き取れないのはなぜ?

リスニング試験もクリアし、英会話講師とも会話ができるようになったのに、「現場に出ると生の英語が聞き取れない」という方は、英語力とはまた違うところに原因があるかもしれません。

話し手のスラングやアクセントに慣れていない

第一に、世界ではさまざまな英語が話されていることを知っておきましょう。国・地域にも寄りますが、現場で見聞きする英語は、必ずしも教科書やリスニング教材に収録されているような綺麗な英語ではありません。

世界には、英語を実用的に使用している人が15億人もいるといわれています。そのうち英語を母国語とするネイティブ話者は約3億8000万人ほどであり、残りは第二言語として英語を使用しているのです。出身国が違えば、ネイティブ同士でも発音の癖や好んで使用する語彙が異なり、慣れるまでお互いの英語が聞き取れないこともあるようです。

話すスピードや会話のテンポについていけない

教材には台本がありますが、リアルのコミュニケーションの場では、考えながら話しているため、話されるテンポに波があったり、間違って言い直したりすることがあります。周りの雑音も入るので聞こえにくくもなっているでしょう。

また、英会話のレッスンや語学学校では、講師は受講生が聞き取りやすいように、はっきりと発音し、話すスピードもこちらに合わせてくれる傾向があります。

スクールに通っていて「ネイティブの英語が聞き取れるようになった!」と喜んでいたら、ネイティブ講師同士の会話に耳を傾けると全く聞き取れなかったり、街中では通用しなかったりしてショックを受けることもよくある話です。

背景知識が不足している

基本的な単語・文法・読解力ができていても、話されるトピックに詳しくなかったり、文化的背景を知らなかったりすると、文脈や話のノリについていきづらいことがあります。

日本語でも、自分があまり詳しくない分野の話を聞いて理解するのは、かなり集中していても難しいですよね。一方で、英語でも自分の好きなテーマや得意分野だと自然と知っている表現が多く、また知らない単語でもなんとなく意味を予測しやすかったりします。

英語のリスニング力をさらに伸ばす効果的な勉強法

英語が聞き取れない原因を解明し、そこの弱点を克服・強化したあと、英語のリスニング力をさらに伸ばすための勉強法をご紹介します。

  1. ディクテーションによる弱点分析
  2. 音読やリピーティングで英語の音を馴染ませる
  3. 英語学習アプリを活用した学習の習慣付け

前述した通り、人は、自分で発音できない音を聞き取ることができません。すなわち、リスニングを向上させるには、あらゆる英語の音を理解し、自ら再現できるようになる必要があります。

1. ディクテーションによる弱点分析

ディクテーションとは、聞こえてきた音声を書き取るトレーニングで、リスニングの弱点把握や苦手分野の分析にも有効です。聞き取れにくい音が明確になれば、集中的に発音矯正を行うこともできます。

スクリプトのある教材を準備して音声を何度も聞きます。これ以上は無理というところまで一字一句書き取ったらスクリプトを見て答え合わせをしましょう。

どうしても聞き取れないところは空欄にしたり、音をカタカナでメモしても構いません。正確に聞き取れずとも、文法や文構造、または文脈から推測してみるという方法でも大丈夫です。

答え合わせでは、大文字・小文字、冠詞、複数形sの抜け、句読点も細かくチェックしてください。ここで、聞き取れなかった理由を分析することで、自身のリスニングの弱点がわかります。

2. 音読やリピーティングで英語の音を馴染ませる

音読とリピーティングは、自然な英語の音(発音やリズム、抑揚)を身体に馴染ませる効果的なトレーニングです。最初は、コンマや話し手の息継ぎごとに音声を止めて、直前部分を声に出して繰り返すリピーティングにトライしてみます。

教材は、90%以上は知っている単語で構成されているような簡単なものから取り掛かりましょう。また、ゆっくりの音声では音の連結や消失が発生しないことがあるため、ナチュラルスピードが収録されているものをおすすめします。

自分の声を録音してネイティブスピーカーの英語音声と聞き比べ、発音やリズム、イントネーションをできる限り正確に再現するように練習を続けてみてください。

最初は正しく発音しようとするとプルプルするかもしれませんが、慣れると脱力していても口の形を作れるようになります。実際に発声することで、英語の発音で動かす唇や舌、表情の筋肉を鍛えられますが、筋トレ同様に1日2日ですぐ成長するわけではないので、焦らず疲れたら休憩しましょう。

3. 英語学習アプリを活用した学習の習慣付け

英語学習において最も難しいのが習慣化ではないでしょうか?必要な勉強法を知っていても、日々コツコツと継続していくのはなかなか大変なものです。

そこで現代人が毎日必ず触るスマホに英語学習アプリをインストールしておきます。無料の単語道場からAIが個別にカリキュラムを組んでくれるものまで幅広いですが、連続学習日数の記録やランキングシステムなどのゲーム性があったり、1日3分あればできる学習コンテンツが揃えられていたりと、とにかく続けやすいように工夫されているものが多いです。

リスニングを飛躍的に伸ばすなら発音矯正コーチングがおすすめ

繰り返しになりますが、英語が聞き取れるようになるには、英語の音やリズムを自分で再現できることが重要です。

英語の発音を習得する方法としては、発音記号学習や音読、発音チェックアプリの活用などが挙げられますが、発音矯正コーチングや英会話スクールなどで専門的な指導を受けることも一つの選択肢です。プロの発音教師や発音に特化した英語コースは、独学では難しい発音の自己採点や細かな点の改善に役立ちます。

⇒英語発音矯正スクール5選!独学向けおすすめアプリも紹介

ハツオンでは、プロコーチが受講生一人ひとりに合わせてカリキュラムをオーダーメイドし、また自分で反復練習ができるよう正しい学習サイクルを身につけることができます。

英語のリスニングに関するよくある悩みや質問

英語を聞き取れないのは耳が悪いからでしょうか?

日本語は普通に聞こえるのに英語が聞き取れない場合、物理的な耳の問題があるわけではありません。また特別な才能が関係しているわけでもありません。原因を解明し、それらを一つずつ克服していくことで、英語が聞こえるようになります。

初学者の場合は複数の要因が組み合わさっていることが多く、たとえば「語彙力不足」「英語の音の理解不足」「音声変化の認識不足」「文法知識の不足」「英文処理スピードの不足」などが原因として考えられます。

英語を聞き取れるようになるのに必要な期間や学習時間は?

学習者それぞれの目標と現状の英語レベルの差の大きさによって必要な学習時間は異なりますし、学習時間・頻度によってリスニングの上達に必要な期間は変わります。

ハツオンでは、週2〜3回の講師との50分のレッスンに加え、週に1回の日本人トレーナーとの面談、1日5分〜1時間程度の自主学習を行いますが、どのレベルの方でも2ヶ月で目標を達成し、実際に変化を体感しています。

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